あちこたねぇ
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宮原芽映
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花のささやき

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 07th, 2010   Yowako  

よわこの日記77
今日も、わたしはよわこです。
ベランダの花たちが、今年もいっせいに咲きました。「よわこさん、一年ぶり。今年もお世話になります。」「はいはい。」…まるで民宿のおかみさんね。
わがままなバラが、黄色い花びらをふくらませながら言いました。「あたくし冷え性ですから、今度の冬は寒くて大変でしたわ。」するとラベンダーも、「なかなか晴れてくれないので、何度も風邪を引きそうになりました。」と、紫色の穂花を揺らしながら言いました。寒くても、季節がくるとちゃんと花を咲かせるのだから、植物はエライです。
ローズゼラニウムも、ピンクの花が満開です。 「冬が寒いほうが、あたくしたち綺麗に咲けますのよ。」「そうね、あたくしも。見てください、こんなにあざやかな黄色!」「とっても美しくってよ。」「あら、あなただって。うらやましいわ、素敵なピンク色。」
よかった。みんな仲よくしています。去年みたいに、花たちが喧嘩するのじゃないかって、わたしはビクビクしていました。とりこし苦労だったみたい。
「よわこさんは、まだお咲きにならないの?」「え?」「そうよ、そうよ、よわこさんまだなの?」「わたしはニンゲンだから咲きません。」そう答えると、「あら。人間も、お年頃になると花が咲くって聞いたことがあるわ。」「10代は青春の花ですってね。」「…わたしには関係ありません。」「かわいそうに、彼氏がいらっしゃらないのね。」…大きなお世話だ。
「みなさん、よわこさんが美しく花ひらくように、みんなで歌を歌ってさしあげましょう!」「そうしましょう!そうしましょう!」と、花たちが言いました。大きなお世話だっていうのに。
「『ローズガーデン』はどうかしら。」と、さいしょにバラが言いました。すると、「英語の歌はわからないわ。」と誰かが言いました。「じゃあ『バラが咲いた』は?浜口庫之助の名曲よ。」「バラさんたら、ご自分の歌ばっかり。あたくしは、『ラベンダー・レイン』がいいわ。」「あらラベンダーさん。『百万本のバラ』だってあるのに…。」 バラが不服そうに花びらをとがらせました。
そこへパンジーが、「『三色すみれ』も、阿久悠作詞のすばらしい曲よ。 ♪この花が届いたら~かけておいで~…ああ、いつ聞いても泣けるわ!」「桜田淳子ね。古い。Janne Da Arcの『カーネーション』にしよ。マジ、サイコーよ。」「カーネーションさん、私たちはビジュアル系バンドより、オーガニック・サウンドがいいです。私たちと同じ名前のカランコエが歌う、『おなじ空の下』とか。」「カランコエ?インディーズね。オホホ、聞いたことないわ。」「そういうゼラニウムさんは、ご自分の関係する歌がないのでしょう?お気の毒ね!」「まあ!…オホホ!なにおっしゃるの、ちゃ~んと歌ってるわよ美川憲一が!『ゼラニウムのある部屋』、YouTube検索なさって!」
ヤバイ、険悪なフンイ気だと思ったわたしは、「みんな平等に、『世界にひとつだけの花』はどうかしら。」と提案しました。 けれど、「スマップより松田聖子がいい!」とスイートピー、「『心の旅』がいい!」とチューリップ、「あたしは『くちなしの花』よォォ~!」とコブシを回したのは、もちろんクチナシ。「演歌ね、オヤジくさーい。」「財津和夫だってオヤジじゃない。」「なんだって!もういっぺん言ってごらん!」「○△×■▽☆▲!」
…もう手に負えません。そこへ母がやってきて、「宮原芽映の『ひまわり』はどう?」
やれやれ、…みんな勝手にしてください。