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ユー・ガッタ・フレンド?

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 04 25th, 2010   Yowako  

よわこの日記76
今日も、わたしはよわこです。
横浜でキャロル・キングとジェームス・テイラーのライブを見た父と母が、ゴキゲンで帰ってきました。わたしは、クアチとお留守番してました。「いっしょに行く!」って言ったのに、「今日はお父さんとデートだからダメ。」と母に断られたのです。ほんとうはチケット代が(1人15,000円)高かったからです。
ちぇ。帰りは中華街で食事したんだって。…オトナはずるい。
「もう~~~最高!前から6番目の席よ!目の前でふたりが歌っていたのよ!」
ジェームス・テイラーが歯の抜けたような声で歌いだしたとたん、母は涙が出たそうです。
ヒップ・ホップを聴いても絶対踊らない父が、キャロル・キングを聴いて一緒に踊ったそうです。 「だってオリジナル・メンバーだよ!40年位前、一緒に演奏していた人たちが、そのまま年とって演奏してんだよ!」「リーランド・スカラーのベースがすごかったわ!白いヒゲの仙人みたい。」「キャロル・キングは68歳だってさ。」「うっそー!私もあんなふうに素敵に年をとりたいわ!ジェームス・テーラーは、ハゲてもかっこいい!昔よりいいかも!」「……。」
わたしにはなんのことかさっぱりわかりません。
キャロル・キングもジェームス・テイラーも、父と母が小学生の頃ブレイクした人たちです。その時代アメリカはベトナム戦争をしていて、日本でも若い男の人は長髪にしぼりのTシャツを着て、女の人はエスカルゴ・スカートにトンボ・メガネをかけて、フォーク・ギターを弾きながら、「ラブアンドピース」とか言ってたそうです。
今では、客席も年配の人ばかり。みんなきちんとしたトラッドな服装で、金髪だったり鼻ピアスしているような人も、ほとんどいなかったらしい。クラシック・コンサートみたいに休憩時間があったり、スピーカーが目の前にあってドラム叩いてもぜんぜんうるさくなかったり…聞けば聞くほど不思議な感じ。
大好きな『ユー・ガッタ・フレンド』の歌が始まったとき、母は胸がキュンとして、思わず父の手をにぎりました。そうしたら一瞬、会ったことのない15歳くらいのお父さんと、手をつないだ気がしたんだって…。 「歌はタイムマシンね。前の列の、私よりもっと年上の男性が、メガネをはずして涙を拭いていたわ。彼もきっと、10代の自分に会っていたのよ。思わずもらい泣きしたわ。」 そのとき、横浜パシフィコの観客席につめかけていた何千ものおじさんたちの魂は、全員長髪で、しぼりのTシャツ姿だったかもしれません。
わたしはふいに、父や母や、年をとった人たちが、うらやましくなりました。これって、おばあちゃんが石原裕次郎聴いてうっとりしているのと、ちっとも変わらないと思う。40年近くもの間、時間が止まってる感じ。蝶ちょをピンで留めるみたいに、青春を止めてしまう力。…といっても標本になるのじゃなく、心の中に刺さったまま、いっしょに育っていく何か。
今のわたしが、父や母の年になったときはどうなんだろう? わたしの時間を止めてしまうくらい、衝撃的なものって? 大勢の見知らぬ人たちと、感動と時間を共有できるものってなんだろう?
…ヤバイ。40年後、わたしはポケモン見て涙を流しているかもしれない。
「あーしあわせ!よわこにも見せたかったわ!ねーお父さん?」「うん。」 …やれやれ!オトナはいい気なもんです。

のらぼうな

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 04 10th, 2010   Yowako  

よわこの日記75
今日も、わたしはよわこです。
母方のおばあちゃんから、電話がきました。「ノラボーナがいっぱいあるから、お昼に食べにおいで。」 …ノラボーナってなに? イタリア料理? カルボナーラの一種? トスカーナ地方の名産とか? …よくわかんないけど、父も母も仕事なので、ひとりで電車に乗ってオオクラヤマに行きました。
おばあちゃんのマンションに行くと、台所が緑色。テーブルもシンクもレンジも葉っぱだらけ。「どどどうしちゃったの、おばあちゃん!」「近くの八百屋さんで売ってたの。『のらぼう菜』…珍しいでしょ。懐かしくて、つい。」 ノラボーナの正体は、アブラナに似た大きな菜っぱでした。なーんだ。イタリア料理じゃなくてがっかり。 「田舎にいる頃、ひいおばあちゃんがよく食べさせてくれたのよ。」「ふうん。」
おばあちゃんの故郷はヒノハラ村。東京のいちばん西の、東京と思えないのどかな山の中です。はじめて行ったとき、緑の匂いがむんむんして、小さかったわたしは外国に来たかと思いました。のらぼう菜はそのあたりに伝わる野菜。寒さに強く、冬のあいだ育って春のお彼岸のころ収穫するので、『春を告げる野菜』と呼ばれているそうです。それにしてもこんなにたくさん買うなんて、おばあちゃんよっぽど懐かしかったのね! 「今年の冬は寒かったからね。冬が寒いと野菜は甘く育つんだよ。」「へえ~、そうなんだ。」 お昼は、のらぼう菜のおひたし、胡麻和え、炒め物、てんぷら、お吸い物…のらぼうなづくしでした。味は菜の花に似てるけれど苦くないし、ほうれん草ほど甘くない。クセがなくてけっこういけるかも。
食べながら、亡くなったひいおばあちゃんのことを思い出しました。杉の木に囲まれたおうちで、テレビのお相撲を見てたひいおばあちゃんは、ぺちゃんこの座布団の上に100年前から座ってる木彫りのお人形みたいでした。生きてるだけで、スゴイと思った。そうかと思うと、突然ニヤッと笑って「貴乃花はいい男だねえ~。」とか言うからびっくり。…ひいおばあちゃんから伝わってきた味だと考えると、のらぼう菜もなんだか特別な感じがします。 「のらぼう菜はガンコな野菜でね、遺伝子組み替えたり、ほかの菜っ葉と交配できないんだって。だからいつまでものらぼう菜のまま。これ食べたら、きっとよわこちゃんも強くなるよ。」「うん。」
帰りの電車から、ぼんやりおぼろ月が見えました。『菜たね月』です。寒いと思っていたら、いつのまにか春なのね。あ~お腹いっぱい!やれやれ、今夜は緑色の夢を見るかもしれない。

やぎさんゆうびん

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 04 01st, 2010   Yowako  

よわこの日記74
今日も、わたしはよわこです。
トモコちゃんのように、人並はずれた能力があっても生かす場所のないヒトって、実はたくさんいるのかも。学校で今流行ってるドラッカーの名言集にも、「卓越した者の能力や仕事ぶりが、まわりの者を不安にさせたり障害になるのは、組織にとって深刻なモンダイだ」 みたいなことが書いてありました。これってきっと、大きなリュックサックをしょって満員電車に乗ってる感じだと思う。リュックの中には役に立つものや、素敵なものが詰まっているのに、自分では使えないし、まわりからは迷惑なものにしか見えないんだわ。だったら、組織とかじゃなくて、もっと広いところに行けば能力をハッキできるのではないかしら。トモコちゃんにも、そんな場所があるといいのに。

… ところで。わたしの能力って何だろう? 考えたけれど、何も思いつきません。 わたしって何も持ってないヒトなのかしら…だんだん不安になってきました。
「わたしの能力って、何だと思う?」 母に聞いたら、「素直でいい子なこと。」と言いました。父に聞いたら、「疲れたとき、背中を押してくれること。」と言いました。ちぇ。おとうさんもおかあさんも、自分たちに都合いいことばっかり!
冬眠から目覚めたばかりの、ヤモリのゲコに聞いてみました。 「わたしの能力って、何だと思う?」「きみにとって?ぼくにとって?家族にとって?組織にとって?社会にとって?人類にとって?地球にとって?それとも全宇宙にとって?」「うーん、…ぜんぶ!」「そりゃあ無理だ。」「なぜ?」「自分にとっての能力が、他人にとってはそうじゃないこともある。ぼくにとってきみの能力は、じっとして僕をふみつぶさないこと。」 …ゲコも同じこと言ってる。そして大きなアクビをしながら、「生物はみな、ただ生きていることが能力だ。」と言いました。 そうか…。だけど、『わたしの能力は、ただ生きていることです』じゃ、何をしていいかわからないし、自慢できないじゃない…。
次の朝、玄関のポストに白い封筒が入っていました。封筒の上には、こんなメッセージが印刷されていました。
『よわこ様 この中に君が求めている答えがある。だが答えは自分で探し出してこそ価値があるものだ。ゆえに、これは君がおとなになるまで開けてはいけない。しかるべきときがきたら、開けること。 能力の神より』
なにこれ…おとうさんのいたずらだわ、きっと!開けるなと言われると開けたくてたまりません。どんな答えなんだろう…わたしはあっさり封を切りました。中にA4サイズのコピー用紙が折りたたんで入っています。 「どれどれ、しろやぎさんからお…なななんだこれは!」 そこに書かれていたのは、まどみちおさん作詩の『やぎさんゆうびん』の歌詞でした。
 
しろやぎさんからおてがみついた
くろやぎさんたらよまずにたべた
しかたがないのでおてがみかいた
さっきのてがみのごようじなあに?
 
これが答え?…さっぱりわかんない。やれやれ!

ワイルドでいこう!

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 04 01st, 2010   Yowako  

よわこの日記73
なんか、、、 
ゲームとか、ケイタイとかで、指の体操して満足してるクラスメイトが信じられない。
みんなヒマなの、わかるけど、、、 ケイタイにつぶやいたからってどうなの?
みんな、寂しんぼーだから、みんなで同じ事して、指を動かしてれば安心なのね。 
きっと、、、
指の体操するぐらいならバイクとばして、全身で風を感じるわ。眠っていたワイルドがよみがえる感じ。というか本当は生まれつき、ワイルド! ぐちぐち、くよくよ、なんて関係ない。
地球ごとぶっ飛ばしてやる!
 
なんか、、、 今日はぐれこ。

パウリ効果

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 03 12th, 2010   Yowako  

よわこの日記72
今日も、わたしはよわこです。
同級生のトモコちゃんと、ともだちになりました。…ていうか、一方的に好かれちゃったみたい。人に好かれるのは悪い気がしません。音楽の趣味が合いそうだから、つきあってもまあいいか。「よわこちゃん!ゴリラズの新譜が出たわよ!」「知ってるよ。」「新しいビデオ見た?」「もちろん。ブルース・ウィリス出てるし。」「ねえねえ、帰りにHMVに行かない~?!」「うん、いいよ。」 すると、ほかの同級生たちがこっそり言いました。「よわこちゃん、だいじょうぶ?」「気をつけてね。」「な…なんで?」「トモコちゃんは危険よ。」「そんな…ともだちの悪口を言うなんて、よくないわ!」「ちがうの。彼女は悪くないの。いつもニコニコしてるし。だけど……」「え?!」
聞けばトモコちゃんは、何でも壊す人で有名なのだそうです。壊すっていうより、いるだけで壊れちゃうんだって。 「クラス委員のアキヤマさんが、彼女とコピーを取りにいったらコピー機が壊れて、電話しようと思ったら携帯が壊れて、近くにとまったタクシーがエンジンから煙を出して…」 「化学部の実験中、彼女が電極つないだらデンプン水溶液が爆発したんですって!デンプンよ!先生が『いまだかつてありえないことだ』って…」「遅刻して呼びだされたら、職員室中のパソコンが動かなくなったそうよ!」「スーパーの棚からコショウのビンを抜きとっただけで、棚ごとビンがおちてくるんですって!」 …だんだん不安になってきました。まるで『キャリー』みたい。彼女は超能力者かしら。もしかしたら、『X-メン』の1人とか?
「パウリ効果だな。」 物理の得意なコシバくんが言いました。「ぱ…うり?」 コシバくんによると、パウリという人は『パウリの排他原理』などの功績でノーベル賞をもらった物理学者ですが、実験がヘタでよく装置を壊したため、「パウリが近くにいるだけで装置が壊れる」と評判になったそうです。「パウリの乗った電車が近くに停車したせいで、装置が壊れた」という伝説まで広がり、この不可解な能力を『パウリ効果』と呼ぶのだそうです。…なあんだ!それってただの伝説じゃない。
トモコちゃんと、帰りにHMVへ行きました。おそるおそる携帯を出してみたけれど、壊れてませんでした。やれやれ、よかったようながっかりしたような…。 「よわこちゃんてやっぱりかっこいい!みーんなわたしを怖がるのに、つきあってくれるなんて!」 そのときわたしは思いました。みんなに怖がられてるって知っててもニコニコしてるトモコちゃんは、もしかしたらパウリみたいに偉大な人なのかも。 「噂なんてあてにならないものだわ。うのみにしないようにしなくちゃ。」「よわこちゃん、見て!このCDジャケット!『ひょっこりひょうたん島』みたいっ♪」 彼女がうれしそうにゴリラズの新譜を手に取ったとたん「あ!」 店中のCDが、バラバラバラバラ… ドミノみたいにぜんぶ崩れました。

群集心理

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 02 20th, 2010   Yowako  

よわこの日記71
今日も、わたしはよわこです。
現代社会のムラタ先生が、『群集心理』のお話をしました。ル・ポンという人が書いた本によると、「ある刺激の下に組織された群衆は、感情思想の同一方向への転換という特徴を示す。個人の知能、個性は消滅し、『集団的精神』に支配され、そのような精神を体現化した指導者に屈服する」らしいです。…オソロシイ!わたしは群衆にならないよう気をつけよう。
放課後、クラスの女子が話しかけてきました。「よわこちゃん、『アバター』みた?」「みてない。」「え~!まだ見てないの?!信じられな~い、あたしなんか 3回も見ちゃった!」「あたしは2回見たわよ!すっごいよねー、3D!」「やっぱ、アイマックスでなくちゃねー。」「……」 べつに観たくなかったのに、みんなが面白いって言うとなんとなく観たい気がしてくる。おっとアブナイ、これって『群集心理』かも! 「わたしは『アバター』なんて絶対見ない。青いのは生理的にダメなの。」「へぇ~、よわこちゃんて変わってる~!」 変わっててどこがわるいと思いながら教室を出たら、同級生のトモコちゃんが声をかけてきました。「よわこちゃん、カッコイイ!私も『アバター』なんか見ない!あなたに賛同するわ!」「…賛同なんて…オオゲサな…」「じゃあね!」
家に帰ると父がいました。「『アバター』のチケットあるんだけど一緒に行く?」「え…!」「アイマックスだよ。」「いく~♪」…あーあ、わたしもやっぱり群衆のひとり。
父と川崎ラゾーナに行きました。アイマックスの映画館は日本に4館しかないそうです。どうりで行列です。「よわこ、なんでサングラスかけてんの?」 クラスの女子に会ったらハズカシイから、わたしは変装してきました。「そんなのかけなくてもメガネ貸してくれるよ。」 劇場に入ると、黒い3Dメガネが配られました。 ♪パンパカパーン~、20世紀FOXのテーマとともに映画がはじまりました。わわわわわ、すごーい!100メートル先まで見えてる感じ。字幕が宙に浮かんで手が届きそう!映像が飛び出してくるというよりも、こちらが映像の中へ飛び出しそうな迫力です。
映画は青い人々の群衆が、自然を守るために強大な軍隊と戦うお話でした。群衆同士の戦いです。よその星なので、人間がエイリアンなのが面白かったです。主人公の男の人は、ながーいおさげ髪の先を巻きつけて、動物や自然界と『絆』を結びます。あんなに一瞬で絆が結べるなんて…ドラえもんのポケットね。あんなのあったらいいな、っていう世界。まるでディズニーランドで、3時間ぶっとおしでアトラクションに乗りつづけた気分。
「あー面白かった!3Dって、一度は味わっておくべきね!『群集心理』もたまにはいいもんだわ!」 メガネをはずしたら…あ。 出口のところでポップコーンのカップを捨てているトモコちゃんがいました。やれやれ!

オーロラ自慢 2

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 02 02nd, 2010   Yowako  

070
今日も、わたしはよわこです。
オーロラを24時間生中継していること、さっそくカミヤマダさんちのおばあちゃんに教えてあげなくては! …というのも、おばあちゃんは腰の痛みでオーロラを予測するという特技があるらしいのです。
お向いのカミヤマダさんの家に行ったら、おばあちゃんがちゃぶ台でお茶を飲んでいました。「今日はいいお天気だねえ。磁気嵐はなさそうだ。ほっほっほっ。」「おばあちゃん、見て見て!」 わたしは持ってきたノートパソコンで、『Live!オーロラ』のサイトを開けてみせました。 雪の平原が映っていますが、空は曇っていてオーロラは出ていません。スピーカーからごそごそと、風の音がしています。アラスカの風です。「アラスカもいいお天気だねえ。磁気嵐はなさそうだ。ほっほっほっ。」「おばあちゃんたら。曇ってるのに。」「このテレビはオーロラを呼べないのかい?」「???」 やっぱりヘン。もしかするとおばあちゃんは、”遠いところに行ってしまった人”なのかも。 「呼べないけど、でもスゴイんだよ!携帯電話をこすって、東京からアラスカのカメラを操作できるんだよ!」 きのう新宿のコニカミノルタプラザで見てきたことを、わたしはちょっと自慢げに教えました。すると、「これかい?」 おばあちゃんが仏壇の中からiPhoneを取りだしました。「え!…ま、まさか!おばあちゃんも?!」「ふふん、あたしのはもっとスゴいよ。」 そう言って iPhoneをすーっとなでると……、ひえええっ!なんとパソコンからオーロラが…四畳半の部屋に流れ出して、ひらひらダンスをはじめたのです!白い大きなうねりが天井いっぱいに広がって、パアッとはじけて、まるでディズニーの妖精たちがくるくる飛び回ってるみたい!赤や緑に光りながら、流れ星と一緒に踊っています。 すてきー!父と母が見たオーロラも、きっとこんなふうだったのね!
「うーいたたた。ほんとは太陽のフレア活動を静めるために使うんだけど。うー腰が痛い。」 そう言ってまたiPhoneをなでると、オーロラはみるみる消えていきました。「す…3D。スゴすぎる…」「ほっほっほっ、あたしの星ではあたりまえのことよ。」 …やれやれ!おばあちゃんは、”遠いところからやって来た人”だったのです! 「ご近所にはナイショだよ。よわこちゃんもあたしも、ボケたと思われるからね。ほっほっほー。」

オーロラ自慢

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 01 21st, 2010   Yowako  

よわこの日記069
今日も、わたしはよわこです。
親戚のヤヨイおばさんが、アラスカへオーロラを見に行ってきました。満天の星の下、温泉入ったりして楽しみましたが、残念ながらオーロラはボンヤリ白いのしか出なかったんだって。「よわこちゃん!それでもオーロラがでっかいってことだけは、よーくわかったわ!」「ふうん…」
父と母はその話でもちきりでした。二人はわたしが生まれるまえに、カナダのイエローナイフというところで、爆発的なオーロラを見たのです。
母:「着いた夜はマイナス38℃だったの。」 父:「鼻毛がぱりんと凍った。」 わたし:「……」 父:「バンクーバーで飛行機乗り換えて、エドモントンで乗り換えて、北極に近づくにつれ飛行機はだんだん小さくなるのに、搭乗員の女性はだんだん大きくなった!」 母:「そうそう!地元の人が機内で飲んでたスペシャル・コーヒー、おいしかったわねー」 父:「ウィスキーと生クリーム入りのコーヒー。暖まったなー」 わたし:「……」 母:「オーロラ、スゴかったよねー」 父:「スゴかった。星もきれいだったし。」 母:「北の空に白い塊があってね、だんだん近づいてきて踊り出すの!最初はひらひらしてたのが、突然くるくる跳ねあがったり。」 わたし:「……」 父:「あんなに早く動くとは…まるで人工物、CGとしか思えなかった!」 母:「そうそう!映画の『ポルターガイスト』そっくりだったわ!」 わたし:「……」 母:「ところどころ赤や緑に発光しながら、気がついたら巨大なクラゲみたいなものが頭の真上に移動してね、空がバックリ割れたようになるの。その割れ目から、自分に向かって光の束がうわあ~って降ってくるのよ!恐ろしい美しさだったわ!」 父:「360°オーロラで首が痛かったなー」 母:「ねー」 父:「ねー」 わたし:「……」
ちぇ。二人とも自慢話ばかり。ついていけません…。だいたいオーロラって、現地の人には不吉なしるしだったっていうじゃない。そんなものを、なぜみんなわざわざ寒い思いをして見に行くのかしら!

くやしいから、ひとりで新宿へ『宇宙から見たオーロラ展』を見に行きました。スペースシャトルから撮ったオーロラの写真は、まるで地球に火が点いたみたいでした。真っ暗な部屋で、ガスレンジの青い炎を見てるような感じ。となりの部屋では、『地球から見たオーロラ』の写真もいっぱいありました。おもしろーい、吹流しみたいのや、クラゲみたいな形もあります。たしかにこれならCGですぐ作れそうだわ!ヘッドホンで『宇宙の音』を聞いてみたら、鳥がいっぱい鳴いてるみたいでした。同じ部屋で、オーロラ生中継をやっていました。アラスカに設置したカメラから、東京の三鷹を経由して映像が届くそうです。エンジニア・クリエイターの古賀祐三さんが解説しながらiPhoneをなでると… おおっ!画面が動いたのでびっくり!アラスカのカメラをiPhoneで動かせるなんて、オーロラよりスゴイかも!このオーロラ生中継は、インターネットで24時間見られるそうです。…なあんだ!飛行機乗らなくても見られるんじゃない!~♪
家に帰って、早速『Live!オーロラ』のサイトを見ました。小さい画面の星空に、白い煙がモヤモヤしています。え。…これがオーロラ?どう見てもただのモヤモヤにしか見えません。なのに、 母:「おとうさん見て見て!オーロラよ!」 父:「これはかなり爆発してるなー」 母:「きゃーすごーい!すてきーーー!」 わたし:「……」
やっぱりホンモノ見てないとダメみたい。やれやれ!
『宇宙から見たオーロラ展』は2/1まで、新宿のコニカミノルタ・プラザでやってます。